くちなし

生徒さんのレッスンをしていると、
思いがけず、素敵な歌に出会う事があります。

「歌」は、私にとって【お仕事】になり、
楽しく歌う、というよりは、
その責任とか義務とかで押しつぶされそうになる事があって、、

でも、生徒さんたちは、
「やっぱり歌う事が好き!」と言ってくれて、
教えている方としては、何よりも救われる言葉だったりするのです。
ちょっと羨ましくもある。

今日、生徒さんが持って来た「くちなし」(歌)

自らは開かないくちなしの実。

「誰かが開けてくれるのを、
待ち焦がれつつ、ひたすらに生きなさい。」

レッスンをしながら、父の事を思い出しました。
私の父は、祖父の会社を継ぐ為に、継いだからこそ、沢山の苦労をしたと思います。

厳しく、頑固な人でしたが、
闘病生活の中で変わっていきました。
53歳でお星様になるまで、
沢山の大事な言葉を私に残してくれました。

でも、こんなに早くいなくなってしまうなら、
実家に帰れば良かったと、今でも思います。

【お父さん】の存在というのは、
どこのご家庭も様々で、
それは外側からはわからないけれど、

お父さんも一人の人なのだから、
弱くもなるし、寂しくもなるし、、
もっと優しくしてあげれば良かったと、
もっと一緒にいれば良かったと、
後悔ばかりです。

私の父は、「くちなし」の花を植えたりはしなかったけれど、カラオケで渡哲也さんの歌を歌ってました(笑)

そして、「女の子はツルツルじゃなくっちゃ!」
と、脱毛に行きなさいと言っていました(笑)

私は、この父と、この母の元に、
自分で選んで生まれてきたのだと思います。
そして、時が巡っても、また二人を選んで生まれてくると思います。

いつか、この歌を歌いたいと思います。
泣かずに歌えるかわからないけれど。

そして、今年はお墓参りに行きたいと思います。

(写真は仙台からの帰りの新幹線から。
新月の2日後の細いお月様でした🌙)


作詞の高野喜久雄さんは、新潟のご出身。
母方の祖父とおんなじお名前でした🍀ご縁✨






くちなし

荒れていた庭 片隅に
亡き父が植えたくちなし
年ごとに かおり高く
花はふえ
今年は十九の実がついた
くちなしの木に
くちなしの花が咲き
実がついた
ただ それだけのことなのに
ふるえる
ふるえるわたしのこころ
「ごらん くちなしの実を ごらん
熟しても 口を開かぬ くちなしの実だ」
とある日の 父のことば
父の祈り
くちなしの実よ
くちなしの実のように
待ちこがれつつ
ひたすらに こがれ生きよ
と父はいう
今も どこかで父はいう

高野喜久雄・詩

HOSHI-NO-NAKAMA

星のなかま★ 【幾億の星々のなかで出逢えたことに感謝して・・・】をコンセプトに、ジャンルに捕らわれることなく、楽しんで頂けるコンサート等を企画・運営しています。